Insecta Mesoamericana

グアテマラ在住の虫屋が綴る自然誌雑記

久々の採集

気がつけば暦は10月。9月は、9日間のコロンビア旅行、帰ってきてからは論文作成と、慌ただしい1か月だった。

そういうわけで、昆虫採集もここ最近ご無沙汰だったが、昨日久しぶりにその機会が訪れた。大家さんの息子さんが案内してくれることになったのだ。実は彼も蝶好きで、よくあちこちに採集に出かけているらしい。今回の行き先はサカテペケス県スンパンゴ市郊外。スンパンゴと言えば、死者の日(11月1日)の大凧祭りで有名な街だ。

 

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トウモロコシ畑

 

どんな森かと期待していたら、どこまで行っても畑ばかりで、いささかがっかり。でも、所々に花が咲いており、甲虫やハチなどが集まっている。チョウも、数は少ないものの、ちらほら飛んでいる。一番目立っていたのはこの種。

 

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オオカバマダラ Danaus plexippus (Nymphalidae)

 

何百キロも渡りをすることで知られている有名な蝶。スペイン語ではMonarcaと呼ばれている。サラマでは数回しか見かけなかったが(近縁種のエレシムスカバマダラD. eresimusの方が多かった)、首都では先週だけですでに3個体目撃。おそらく標高の違い(サラマは約950m、首都は約1500m)が原因ではと思われる。

 

出会えた蝶は全部で十数種。その大半は普通種だったが、初顔の種もいくつか採集できた。甲虫は、花や葉の上にいたコガネムシ、タマムシ、ハムシ、ケシキスイなどを目撃したが、いずれも小型種ということもあって、ほとんど撮影できず。

 

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タマムシの一種 Buprestidae sp.

 

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コガシラアワフキの一種 Cercopidae sp.

 

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バッタの幼虫 Acrididae sp.

 

先週は雨が多かったが、この日はからりと晴れ上がって、気持ちの良い1日だった。雨季もそろそろ終わりに近づいてきているようだ。